vsG大阪(24節・2020/10/24)たまには【予習】的な内容を書いてみる
【予習】をしてみよう(ここは読まなくて大丈夫)
1か月近く更新が滞りました。お久しぶりでございます。
仕事が最高潮に忙しかったこと、10月末に検定試験を控えていることが原因です(言い訳です)。半分経理的なセクションに在籍しているため、半期の締め作業で土日も出勤するほど繁忙期でした。季節要因ですが、どうしてもこの時期はサッカーどころではなくなってしまう嫌いがあります。横浜FC戦も仕事で見られませんでした。下さんに会いたかったものです・・・。
閑話休題。
今回から試合の「振り返り」ではなく、予習的なもの(プレビュー?)を書いてみようと思います。またすぐに「振り返り」に戻すかもしれませんが(今回だけで終わりかも)、そこは弱小ブログならではの迷走ということで暖かく見守ってください。
予習的な内容を書こうと思った理由は、単に終わった試合を見返すのが辛いからです。基本的に過去は振り返らず、常に前を、未来を見ていたいタイプなので・・・。
冗談はさておき。終わった試合について語るのも楽しいですが、これから起こるであろうことを想像しながら、試合を観るのもこれはこれで面白いものです。予想通りの展開ならドヤ顔が出来ますし、違った場合はその差異から学ぶもことも出来るでしょう。答え合わせをしている感覚ともいいましょうか。
ただ、主語が「柏」ではなく相手チームになってしまうことから、柏サポが読んで面白いのかわからない点、継続して追えないことから点で物を語ってしまう点を懸念しています。が、その辺りもやってみないとわからないでしょうということで、完全に見切り発車、思いつきでのスタートとなりますが、お付き合いください。
ガンバ大阪を定量的なデータから見る
データから見る長所
「敵陣ポゼッション」、「右サイド攻撃」、「守備→攻撃」を強みとしていることがわかります。
敵陣でボールを保持し、失った直後のゲーゲンプレスによって、高い位置でのプレー時間増加を目指します。敵陣でボールを保持し積極的に守備を行うことで、自陣における守備の時間を減少させ、試合の主導権を握るゲームモデルであることを示しています。
「右サイド攻撃」については、外に張ることで持ち味を発揮する小野瀬選手を右SHに、中央での仕事を好む倉田選手を左SHに配置していることに起因するものと思われます。
データから見る不得手
逆に「自陣ポゼッション」、「攻撃セットプレー」は得意としていないことも読み取ることが可能です。
「自陣ポゼッション」については、やはり上記で挙げたゲームモデルとの繋がりを感じます、敵陣で過ごす時間を増加させる狙いの中で、自陣でのプレーは避けたい、減らしたいといった狙いでしょうか。
実際に試合を観た印象
攻撃
- 敵陣でボールを保持する時間を増やしたい
- 2トップ(主に宇佐美選手)がサイドに流れることで、敵陣高い位置のサイドに起点を作る
- 自陣からのビルアップ、特に足元で繋ぐパスについてはポジショナルな配置よりも、個の質を活かす場面が多かった
→大きく立ち位置を変えることが少なく、相手の守備と噛み合ってしまうことで、ビルドアップが詰まる局面が見受けられた(トランジション対策かもしれない) - 2トップの組み合わせで印象が変わる
宇佐美・パトリック:ボールを納めることができることから、遅攻ができる。パトリックへシンプルに蹴っても起点となれる。
渡辺・アデミウソン:足元よりも縦へ早い印象。カウンター。 - 高い位置で奪ってからのショートカウンターには再現性有り
守備
- ハイプレス+ゲーゲンプレス
- 相手に時間とボールを与えないことを優先
→CHがCBに対してプレッシングに出る場面も見受けられた - プレッシングが掛からなかった時は、一度ミドルゾーンに442をセットし、中央のレーンから大外のレーンにパスが出たタイミングでプレッシングをスタート
→サイドに追い込んでから、圧縮。改修後はミドルカウンターもしくはポゼッションの回復 - なるべく自陣低い位置への撤退は避けたい
- 高い位置で奪い、素早く攻撃につなげる
2試合を振り返って
マリノス、大分とともにボールを握ることを強みとするチームとの対戦ではあったものの、自分たちのゲームモデルを貫かんとする積極的な姿勢は勇敢そのものでした。
特筆すべきは90分間に渡ってネガティヴ・トランジションの強度を維持したことです(マリノス戦)。試合を通してのボール保持率はわずかにマリノスが上回ったものの、数字以上に試合を支配していた印象を受けました。ボールを握り続けること、それは換言すればボールを奪い続けることでもあります。
中3日で臨んだ大分戦は2トップの組み合わせを変更したものの、全体的な強度は今一歩とあって、盤面のひっくり返しに合う局面、つまりはプレッシングが掛かり切らずにカウンターを食らう場面が見られました。(大分は擬似カウンターを狙いとしていた節もありますが)
ボールを保持するために、プレッシングが生命線である印象を受けました。ミッドウィークにゲームがなかったことから、コンディションは悪くない状態であるものと思われます。
【本題】柏レイソルはどう立ち向かうのか
いよいよ本題です。
相手の強みを消しつつ、弱点を殴る・・・ネルシーニョ監督が言うところの「ニュートラル」という視点でゲームの攻略を考えたとき、柏は、ガンバ陣地でボールを保持する状況を目指すことがベターな選択になると思います。
逆に、自陣への撤退を強いられる(かつガンバがボールを保持)という状況は避けるべきです。これは守りきれなかった湘南戦、3失点を喫した神戸戦と同様の状況でもあります。
相手に撤退を強いる手段として①背後のスペース目掛けて蹴っ飛ばしまくる、②ボールを保持するの2パターンが挙げられます。
①背後のスペース目掛けて蹴っ飛ばしまくる
背後にあるスペースの攻略を目指し、ミカとクリスを走らせることで、少ない手数で攻撃を完結させます。ガンバのプレッシングに対し、盤面のひっくり返しを試みることは非常に有効な手段です。「プレッシングを受けている」ということは、相手の背後にはスペースが広がっている状況でもあります。裏のスペースを突くことで、ガンバの守備陣に対して撤退を強いることができます。
しかしながら、ボールを蹴っ飛ばすということは、相手にボールを渡してしまうリスクも内包しています。陣形が縦に伸びることで中盤が空洞化し、オープンな展開からのトランジション合戦は、消耗戦の様相を呈します。
まさに湘南戦、神戸戦の二の前です。特にボール保持を得意としているガンバを相手に、ボールを失い続ける状況は得策とは思えません。
②ボールを保持する
「ボールを保持したい相手にボールを与えない」というのは非常に論理的で、これこそがまさに「ニュートラル」であると考えます。
まあ、それができれば、湘南にも神戸にもあそこまで苦戦はしなかったわけですが。
如何せんボールが保持できない今日この頃。立ち位置やポジションチェンジで何とかしようという意図は見えるものの、ポゼッションとはつまるところ、前線の味方にどれだけ時間を届けられるか、というものです。最終ラインに負傷者続出の現状で、後方からのボール保持が可能かと問われると非常に難しい印象を受けます。
結局どう戦うのか?
現実的にネルシーニョ監督が採用しそうな戦い方は、「撤退からのロングカウンター」もしくは、自陣へ相手を引き寄せて裏に蹴っ飛ばす「擬似カウンター(と呼んでよい代物かは微妙)」と予想します。
手段はさておき、とりあえずは背後を突くことを考えるのではないか、と。繰り返し背後を狙うことで、敵陣で過ごす時間を作ること(増やすこと)ができれば、ガンバの強みを消すことにも繋がります。
ですが、場合によってはガンバにボールを渡すだけ、自分たちの守備の時間が増えるだけになるリスクを背負う諸刃の剣であることは肝に命じるべきかと思われます。現在の柏は、トランジショ合戦で勝てるほどの強度は有しておりません。
仮にトランジション合戦になってしまった場合は、ミカとクリスがどれだけ時間を作れるか、起点となれるかという完全に個の質に頼る展開になるのではないかと予想します。