「ファーストブロック(1~5節)」感想・雑感・備忘録

降格候補大本命だったはずが、予想外にも好調なスタートを切った我が軍。

負けても一つも悔しくなかった去年と比較しても雲泥の差。

監督から「シーズンを6ブロックに分割、各ブロックで10ポイント獲得を目指す」とあり、昨日の名古屋戦でちょうど1つ目を消化したところ。

開幕からここまでのゲームを備忘録がてら振り返っておきたい。

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【5-3-2】によるハイプレス・ゲーゲンプレスから速攻がメインシナリオ

  • 今季は開幕から【5-3-2】を採用
  • 遅攻よりもカウンター、縦に早く
  • 短所(自陣保持)を隠しつつ、長所(2トップの強さ・豊富なCB)を活かすことができるシステム・戦い方で、現時点の最適解
  • ボール奪取位置を高くすることで、自陣ビルドアップの構築を省略
  • 敵陣で圧力を掛ければ無理目なロングボールが飛んでくるので、強固で人材豊富な守備陣(CB)を活かすことが可能

タスクの多い2トップ

  • 2トップは、攻撃ではターゲットとして空中戦を戦いながら、相手の最終ラインを後退させるために裏抜けしつつ、守備では高強度のプレスが求められる
ロングボールのターゲットとして
  • 敵陣でプレスを掛けるためには、当然ながら、ボールと人を敵陣まで届ける必要がある
  • そこで2トップを活かしたロングボールによる前進、陣地回復
  • 速さ・高さ・強さを備えた2トップ(細谷・ドウグラス)が、相手CBを上回ることで自軍を押し上げる時間を作る(「産み出す」とか「捻出」の方が正しいかも
  • 開幕、2節と続けて相手に退場者が出たが、ずれもCBである。2トップが相手CBに勝負を挑み続けたことが一因
  • 例え空中戦に勝てなかったとしても、相手に自陣から攻撃をやり直させることができれば、高い位置でプレスが掛けられる
  • ただし、2トップが相手CBに上回ることができないと自陣に閉じ込めれて守備の時間が増加
  • 「自陣に閉じ込められる=ボール奪取位置の後退」なので、自陣での保持・ビルドアップが求められる
  • 特に顕著だったのは鹿島戦で、それ以外の各ゲームにおいても、劣勢の時間帯は2トップが前線で時間を作れなかった時である
プレッシングの起点として
  • 2トップのプレスが嵌まらないと当然劣勢に
  • 例えば開幕戦も11人の湘南には全く牽制が掛からなかったし、鹿島戦はロングボールでのプレス回避に後手を踏む
  • 名古屋戦も【5-4-1】へ変更するまでサイドから好き放題前進されて失点
  • 相手のビルドアップに対してのプレスはスカウティングの問題でもある

ビルドアップは改善しているのか?

  • 何となくよくなっている気がする保持・ビルドアップについて
【中村慶太】の存在
  • プレス耐性の高い慶太が時間を作り、ボールを落ち着かせる場面が見られる
  • ネガトラを剥がし、ポゼッションを安定期まで移行できれば、慶太や太陽、小屋松を中心に足元で繋ぎながら前進できる
  • ただ、仕組みで解決したというよりは、【中村慶太】という個の力で成り立っている印象
  • 不在時にどのようなリアクションになるかはもう少し観ないと分からない
  • 名古屋戦で代わりに入った川口は元より、プレス耐性の高い選手なので卒なくこなしているようにも見えた
  • しかしながら、ゲーム序盤、相手のインテンシティが高い状態ではさすがに苦労している様子(相手の運動量の落ちてプレス強度が低下してからはとても良かった)
2トップが背後を狙い続ける副作用
  • ここでも2トップ
  • ドウグラス・細谷が相手の背後を狙い続けることで、ネガトラ時にプレスよりもラインの後退を選択してくれることが増えた
  • 2020年後半に、オルンガ対策としてラインを後退させてボールを持たされることが増えた状況に近い
  • 慶太や小屋松、太陽がボールを運べるから、当時よりも保持がまともに見えるのかもしれない

雑感

  • ここまでの好調は2トップが複雑なタスクをこなしている事が大きい
  • 鹿島戦のようにそもそもプレスが嵌まらない状況を作られると厳しい展開に
  • FWに限らず、「個vs個」を10箇所作るような戦術なので各々が対峙する相手に勝てないとそこから決壊
  • つまり、圧倒的な個がいるチームに弱い(鹿島の鈴木や名古屋のマテウスのような)
  • 物凄くピーキーなチームという印象
  • 早い時間帯の退場であったり、戦術の相性の問題で拾えたゲームも
  • 細谷もこの活躍であれば継続的に代表に呼ばれるだろう
  • 嬉しい反面、疲労によるコンディション悪化が不安(でもそれは選ばれたものの宿命。頑張れ!)
  • 名古屋戦を欠場したドウグラスの安定稼働

羊男の備忘録

  • 湘南戦
    • 60分近くを数的優位で過ごす
    • 湘南は撤退を選択せざるを得ない状況
    • 柏は大半の時間を敵陣で過ごすことに成功
    • プレスが嵌まらず、ハイラインの背後を取られまくる
    • 自陣ビルドアップも論外で相手にボールを渡し続ける
    • もはや決壊寸前というところで相手に退場者
  • マリノス
    • 2トップ(ドウグラス・細谷)が相手のCB2枚に勝ち続ける
    • 結果的に相手のCBを退場へ追い込む
    • 2トップが空中戦を勝てたらそのまま攻撃へ
      • セカンドボールを拾う2列目(サヴィオ)が前を向いてプレーできる
    • 勝てなくても、相手に自陣から攻撃をやり直させる
      • 柏がハイプレスを掛けられる状況
    • 開始早々の失点
    • ビルドアップ・ポゼッションを捨てたシンプルなロングボールによる前進
    • ロングボールによる陣地回復
  • 鹿島戦
    • 柏は敵陣でプレッシングを掛けられずにラインが後退
    • ボール奪取位置が低く、ビルドアップで詰まる
    • ロングボールでの前進を目論むも、ターゲットのドウグラス・細谷が相手のCBを上回れずに時間を作れなかった
    • 「鹿島はボールを保持してくるだろう」という戦前の予想に反し、ロングボールで前進される
  • 福岡戦
    • 慶太のプレス耐性の高さが際立ったゲーム
    • 慶太・小屋松のお陰で、サヴィオがビルドアップに加わらずに高い位置での仕事に専念できた
    • 後半は、プレス強度の低下とともに徐々に劣勢も、守備陣の強さを改めて感じるゲーム
  • 名古屋戦
    • 先制したものの、その後はプレスが嵌まらない、ドウグラス不在で空中戦が細谷頼み
    • さすがの細谷も1枚で名古屋CB2枚を相手にするのは分が悪く、時間を作れず
    • 自陣守備の時間が増えて決壊。神スンギュのお陰で何とか1失点で耐える。
    • 後半は、名古屋のプレス強度が低下し、右からの前進でチャンスクリエイト